2025年3月21日(金)に第35回研究会をオンラインとリアル会場(名古屋大学)のハイブリッドで開催しました。現地10名、オンライン26名の方に参加していただきました。
今回の研究会では2つの講演が行われました。
1.講演「ChatGPTを活用した次世代システム開発への挑戦 ~競馬ゲーム製作を通じて~」 原 秀輔 氏(CKD株式会社)
競馬ゲームの製作を通じて生成AIを活用した取り組みをご紹介いただきました。
ゲームのアイデア出しから要求定義、設計、コーディング、テスト項目作成までの各工程でChatGPTを活用し、開発を進めたそうです。
具体的には、製品の取扱説明書やカタログをインプットとしてゲームのアイデアを考案し、アイデアをまとめたスケッチをもとに要求仕様書を作成。また、テスト項目の作成では、人が思いつかない「いじわるテスト」の項目を生成AIで補完できたとのことです。さらに、コーディングの際には、YAML形式での出力を指示することで文書の品質を向上させ、コードの精度を高めることができたとのことでした。
講演では、このようなプロセスを経て開発された競馬ゲームを、デモ機を用いて実演していただきました。実際に動作するゲームを見ることで、生成AIを活用した開発の可能性を実感でき非常に興味深い内容でした。
講演資料はこちらから
【お知らせ】
規格が公開されている産業用ネットワークを、FAの分野ではオープンネットワークと呼ぶそうです。2025年の産業オープンネット展に、ご講演いただいた「ChatGPTを活用して開発した競馬ゲーム」を完成させた実機を出展されるそうです。参加費無料とのことですので、実機をご覧になりたい方はどうぞご参加ください。
https://sangyo-open.net/
7月2日(水) 10:00~17:00 刈谷市産業振興センター
7月9日(水) 10:00~17:00 東京都立産業貿易センター浜松町館
2.講演「システム開発文書の誤解を防ぐ、生成AIと校正支援ツールの組合せ活用術」 牧志 孝俊 氏(株式会社情報システムエンジニアリング)
日本語校正に生成AIを活用した検証結果をご紹介いただきました。
今回の検証では、ChatGPTのGPT-4.5とo1の2つのモデルを使用し校正を実施し、それぞれの校正のやり取りと結果を比較・分析した結果を報告していただきました。
検証の結果、GPT-4.5では校正ルールの通りに校正されない、一部しか修正されないといった課題があったとのことです。一方、o1では期待していたレベルの校正結果が得られたとのことでした。
今後の活用方法として、ツールとの併用が有効との考えが示されました。生成AIで作成した辞書、テスト用文例を使用して支援ツールで校正を実施、その後、校正支援ツールで検出できなかった誤りを生成AIを使用して検出することで、さらなる精度向上を図ることが出来るのではないかとの考えが示されました。
講演資料 (参加者限定) はこちらから
3.今後のASDoQイベント
以下を予定しております。詳細が決まり次第ご案内しますので、皆さん、ぜひご参加ください。
・5月 2025年度総会・第36回研究会 @オンライン
・9月5日(金) - 6日(土) サマーワークショップ @KKR京都くに荘
・10月31日(金) ASDoQ大会2025 名古屋大学 野依記念学術交流館
2024年度定期総会および第34回研究会を2024年6月5日(水) 16:00からオンライン(Zoom)で開催しました。
1.2024年度定期総会
はじめに、本日の総会出席者の確認を行い、出席者および委任状提出の合計70名により本総会の成立条件(会員数の1/2)を満たしていることを確認しました。
続いて、事務局から2023年度の事業報告と決算報告、2024年度の事業計画と収支計画についての報告が行われました。各議案は、出席者および委任状提出者を含む参加者の過半数の賛成により承認されました。
会員は、総会資料を閲覧できます。[会員メニュー - 活動の記録 - 第34回研究会(定期総会)]をご覧ください。
2.第34回研究会
第34回研究会では、「これからのシステム開発文書品質を考える~システム開発文書品質モデルVer.2.0aをふまえて~」のテーマで、システム開発文書の品質向上について、参加者の皆様と意見交換を行いました。
今回の討議は、オンラインホワイトボードアプリMiroを使用して参加者の皆様から意見を出していただく形で進めました。
「システム開発文書やその品質で解決したい問題は何か?」、「システム開発文書の役割は今後どう変わるか?」、「システム開発文書品質モデルにAIを応用するアイデアは?」の3点について討議を行い、参加者の皆様から多くの意見をいただきました。
今回の討議で皆様からいただいた内容を今後のASDoQの活動につなげていきたいと考えております。
研究会の資料はこちらから(資料内のmiro討議の場所のリンクから討議内容が確認できます)
3.オンライン交流会
研究会での議論を基に、生成AIの文書品質モデルへの応用について参加者の皆様と活発な議論を交わしました。様々な視点からの意見や考えが語られ最後まで大変盛り上がりました。
4.今後のASDoQのイベント
以下を予定しております。皆さん、ぜひご参加ください。
・サマーワークショップ 9月6日(金)、7日(土)KKR京都くに荘
・ASDoQ大会2024 11月1日(金)名古屋大学 東山キャンパス内にある野依記念学術交流館