トピックス

  
投稿日時 2018-07-31 21:47:05 (85 ヒット)

2018年7月20-21日に京都市にて,ASDoQサマーワークショップ2018を開催しました。

今回のワークショップでは、システム開発文書品質モデルにおける「完全性」について、とくに要求仕様書を想定して、その完全性を高める方法を議論しました。
まずは事前に会員の皆さんから集めた完全性に関するアンケート結果(工夫していること・困っていること)を参加者間で読み込み、キーワードを抽出し分類しました。
以下はキーワードを分類している様子です。
 
完全性について検討してみると、完全性とは直結しない問題が数多く出現します。
論理性、理解容易性の問題も関わってくるため、ここでASDoQが定義する完全性の復習を行いました。
以下の写真は、システム開発文書品質モデルの定義を確認している様子です。
 
 
ASDoQが定義している完全性は「開発に必要十分な情報が記載されていること」であり、その副特性を次のように定義しています。
 
  • 合目的(読み手と目的を明示している、目的に合致した内容を記述している)
  • 正確(記述内容が正しい)
  • 妥当(記述内容が妥当である)
 
この定義を再確認するために、完全性を満たすための方法をリストアップしました。
 
  •  ステークホルダーを理解する
    →ステークホルダーとは後工程の人であり、読み手によって書く内容が決まる
  • モデル化(状態遷移図表などを使って抽象化)
    →文章では表現できない内容を表現する
  • フィードバック
    →ペーパープロトタイピングによる素早いフィードバック
    これにより隠れた要求を引き出す
 
2日目は、システム開発文書の完全性を高めるための具体的な手法についてのブレストをしました。
3つのグループに分かれ、システム開発文書品質モデルの完全性の副特性の観点から、具体的な手法を抽出しました。参加者が実際の場面で使用しているツールや手法、経験からのノウハウなどを列挙して、グループそれぞれでまとめました。
以下の写真は、各グループでブレストをしている様子です。
 
 
 
開発文書の完全性は、これまでソフトウェア工学においても議論されてきたソフトウェア自体の完全性に深く関わっていることを、あらためて参加者同士で認識しました。
そして、開発文書の完全性をソフトウェアやシステム自体の完全性とどう切り分けるか、はたして切り分けができるのか、開発文書の完全性をどうとらえ定義すべきか、さらに議論を深めていきたいと考えます。
 
9月6日に開催する研究会では、今回の討議結果を基に、さらに議論を進める予定です。


投稿日時 2018-05-27 12:54:27 (228 ヒット)

2018年5月25日に,2018年度総会・第18回研究会を名古屋大学にて開催しました.

はじめに,2018年度総会として,2017年度の報告,2018年度の計画について事務局から説明があり,参加者の皆さんから承認をいただきました.

次に,第18回研究会を行いました.計算機処理による分析の事例として,粕渕清孝さんが「自然言語処理によるシステム開発文書品質改善の試み」について,ご発表くださいました.レビューの効率化のために,レビューで用いられた語句を分析して,使われている語句を次のレビューに生かす取り組みについて,紹介してくださいました.
 

引き続き,ASDoQ大会2017にて受賞したポスター発表から,小林 直子さんが「文書品質モデルを活用した品質可視化の試み-レビュー情報をプロジェクトの振り返り活動へ活かす-」についてご発表くださいました.ドキュメントの欠陥情報を次の開発に活かすために,ASDoQの文書品質モデルでドキュメントの欠陥情報を分析し,その分析の有効性を評価した取り組みを紹介してくださいました.

最後に,ワークショップとして,栗田太郎さんが「読みの論理のワークショップ~「国語」から開発文書の品質を考える~」について,参加者による演習や,ペアでのディスカッションを含めて行いました.文書を読むときの工夫や振る舞い,傾聴のテクニック,ワークショップの要素などを紹介してから,演習を行いました.演習では,文書を読むときに各自がどのような工夫をしているかを振り返ってから,評論文を実際に読んで自分自身の行動を観察して,それをペアの相手と情報交換しました.文章を分析的に読む方法などを考えました.

今年度も研究会,ワークショップ,ASDoQ大会を計画しています.皆さんからのご意見やご要望を取り入れながら進めていきたいを思いますので,どうぞよろしくお願いします.


投稿日時 2018-03-24 13:28:42 (393 ヒット)

2018年3月22日に,大阪電気通信大学 寝屋川駅前キャンパスにて,ASDoQ第17回研究会を開催しました.今回の研究会では,ASDoQ大会2017で優秀ポスターに選ばれた2件のポスターに関する発表と言語処理技術に関連する研究のワークショップを行いました.

ASDoQ大会2017のポスター発表に関する発表に先立ち,ASDoQ大会2017の実施報告を運営委員の塩谷が発表しました.参加者の皆さんからもご意見をいただき,印象に残った点や,各講演のポイントなどを情報交換しました.

 

次に,ASDoQ大会2017のポスター発表にて最優秀賞を受賞した,大阪電気通信大学教育開発推進センターの齊尾 恭子さんに,以下の発表に関する詳しい講演をしていただきました.

齊尾 恭子(大阪電気通信大学),竹内 和広(大阪電気通信大学),森 幸治(大阪電気通信大学),『「言語技術トレーニング」を活用した技術者養成に向けた大学初年次キャリア教育の実践』

さらに,審査員個人賞(三森賞)を受賞した大阪電気通信大学大学院の間嶋義喜さんに,以下の発表についての講演していただきました.

間嶋義喜(大阪電気通信大学大学院),大賀賢志(大阪電気通信大学大学院),竹内和広(大阪電気通信大学),同一機能をもつプログラム構造の類似性視覚化の検討

次に,「ソフトウェア開発文書分析にむけた言語解析ツール活用の実践」として,参加者の皆さんが実際にオープンソースを使用して言語解析を体験するワークショップを行いました.使用したプログラムは次の通りです.
・形態素解析エンジン MeCab
・係り受け解析器 CaboCha
・統計分析ソフト R(+グラフ生成プラグイン igraph)

はじめに,長野高専の藤田が「ソフトウェア開発文書の評価における汎用言語解析ツールの可能性」として,自然言語処理の基礎的な要素ツールを実際にインストールして実行して体験してみる発表を行いました.

次に,大阪電気通信大学の竹内 和広さんが,「プログラムの説明概念整理による辞書構築とその活用」として,情報分野に特化した辞書の作り方を解説しました.そして,参加者と一緒に手を動かしながら,実際に作った情報分野の辞書を用いて,複数の専門用語を入力してそれらの関係をグラフ化して可視化する演習を行いました.このようなグラフ化は、文書品質や専門概念理解の計量評価の基準となることが期待されます.

開発文書を取り巻く,技術者教育や言語処理技術について,具体的な事例や実践を交えて体験することができました.


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