文書品質の学び舎(まなびや)

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寄稿「要求工学基礎知識」(山本修一郎)
連載コラム「山修の開発文書品質入門」

システム開発文書品質モデルVer.2.0aには、次の6種類の品質特性があります。

  1. 目的適合性:記述内容が、目的達成のために必要十分であるかの度合い
  2. 保守性:記述内容を利用維持できる度合い
  3. 整合性:記述内容を論理的に展開している度合い
  4. 理解容易性:記述内容を理解しやすく表現している度合い
  5. 可読性:記述内容を読みやすく記載している度合い
  6. 規範適合性:記述内容を標準や規則に準拠して記載している度合い

ここで「1.目的適合性」は、システム/ソフトウェア工学に深く結びついています。システム/ソフトウェア工学の成果である開発プロセスは、要求定義や設計やテストなど複数のアクティビティが相互に結びついて構成されます。

例えば、要求定義は、(1)後工程のアーキテクチャ設計と、(2)V字に対応する総合テスト仕様、と結びついています。ですから、要求定義で作成する「要求仕様書」には、(1)アーキテクチャ設計と(2)総合テストを行うために「必要十分な内容が記述」されていなければなりません。これがシステム開発を意識して作られたシステム開発文書品質モデルの「1.目的適合性」です。システム/ソフトウェア工学では、要求工学や設計論など多くの技術が体系化されました。これらの技術を開発現場で発揮することで「1.目的適合性」を達成できます。

他方、「2.保守性」「3.整合性」「4.理解容易性」「5.可読性」「6.規範適合性」は、システム/ソフトウェア工学だけではなく、国語やテクニカルライティングなどの他の学問領域や方法論とも深い関連を持ちます。

幸いなことに、ASDoQには、各方面の研究者や実践者が、多数いらっしゃいます。このページでは、その方々からの寄稿をご紹介します。


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