トピックス

  
投稿日時 2022-03-19 12:34:50 (905 ヒット)

 202239日(水)15:00-18:00に、第28回研究会をオンライン(Zoom)にて開催しました。
今回の研究会では、アンリツ株式会社の南部妙水さんのご講演「ゴールから逆算したプロセスで開発文書全体をMECEにする」と、ASDoQからシステム文書品質モデルを使ったワークショップを行いました。 

1.講演~ASDoQ大会2021話題提供から~
  「ゴールから逆算したプロセスで開発文書全体をMECEにする」南部 妙水(アンリツ株式会社)

南部さんの講演ではソフトウェアの派生開発を行う中で、文書をMECEな状態に近づけるために実践されている方法について説明していただきました。
開発文書に変更を取り込む際には必要な情報が何かを見つけることが重要で、どのような仕様・設計にするか、どの文書に何を書くか、それをどう書くかということをひとつずつ整理していくという考え方を基に、この必要な情報をどうやって洗い出すかという方法について説明していただきました。
別の作業に紛れ込ませずしっかり時間を取ってそれぞれの作業に集中し、順番に進めていくことが効率と品質を確保する上でも大事だということを教えていただきました。

講演資料はこちらから

2.グループワーク&討議 「文書品質特性の視点から記述を改善してみよう」ASDoQ運営スタッフ

ASDoQで作成したシステム開発品質モデルの活用ガイドとして参考例を集める仕組みづくりを考えています。今回はそのトライアルとして、例文を使用し、どの品質特性、品質副特性に該当するのか、改善例としてどんな文章が考えられるのかを議論しました。最後に各グループの代表者により結果を共有していただきました。
同じ例文をでも異なる視点からの指摘があがるなど、参加者の皆様も興味を持って取り組んでいただけたと思います。
今後の活動に向けて皆様からのご意見、アイデアをお待ちしております。

講演資料はこちらから

次回のASDoQイベントは、6月7日(火)に2022年度総会・第29回研究会をオンラインで開催予定です。詳細が決まり次第ご案内しますので、皆さん、ぜひご参加ください。
また、今年の大会は,20221111、名古屋大学 野依記念学術交流館での開催を予定しております。ご期待ください。


投稿日時 2021-11-11 14:34:55 (1146 ヒット)

2021年11月8日にASDoQ大会2021を開催しました。
今回の大会では、『新しい世界と時代の文書品質』をテーマに、システムやソフトウェア開発文書はもとより、異なる分野にも目を向け、今後の開発文書のあり方や品質を高めるヒントを探りました。 今年も昨年に引き続きオンラインでの開催となりましたが、情報交流会に10件の話題提供をいただくなど多くの方に参加いただき、大変盛り上がった大会となりました。

第1部のチュートリアルでは、塩谷 敦子氏(ASDoQ/イオタクラフト)が「書いて仕事を進めよう!―開発文書をヒントに、文書を書くことで仕事の品質を上げるコツを学ぶ―」のタイトルでご講義くださいました。 文書を書くことを仕事につなげる方法として、プロセスにそった文書作成、ライティング技術を活用した仕事の進め方をミニ演習を交えて紹介していただきました。

(チュートリアル:塩谷 敦子氏)

第2部の講演会に先立ち、オープニングセッションでは、プログラム委員長の栗田さんからASDoQ大会2021の見どころについて紹介がありました。

(オープニングセッション:栗田 太郎 氏)

基調講演では、石川 冬樹氏(国立情報学研究所)が「オープンな世界と向き合うシステムにおける開発文書品質」のテーマでお話しくださいました。言葉をそろえて同じ理解を持たないとステークホルダーや開発者間で議論ができないのは、従来のシステム開発と変わらない。機械学習では、あいまいな要求に対応する必要があるため、大量のデータを学習させることによって具体例を作り上げて要求を実現していく必要があるということ。そのための課題やアプローチについて、実際の開発で行っている取り組みを基に解説していただきました。


(基調講演:石川 冬樹 氏)

招待講演では、染谷 美有紀氏(医学書院)が「内容の質を高め、読みやすい本をつくるには――看護書の編集・制作のプロセスから」のテーマでお話しくださいました。

第3部では情報交流会として、話題提供者と参加者との意見交換の場が設けられました。 ASDoQの活動報告に続き、10組の発表者により文書品質に関わる話題を提供していただきました。様々な切り口から開発文書の品質向上に取り組んだ事例はどれも興味深いものでした。皆さんが行っている取り組みのヒントになるものもあったのではないでしょうか。

■「オンデマンド型オンライン教育における用語統一の大切さ」
福島 泰子氏(名古屋大学大学院情報学研究科附属組込みシステム研究センター)

■「誤訳を生み出さないためにできること ~機械翻訳から校正を考える~」
山本 知広氏(ヤマハ株式会社)・宮外 真理子氏(PPBインターナショナル株式会社)

■「アジャイル開発における文書品質について考える」
谷﨑 浩一氏(株式会社ベリサーブ)

■「デジタル化によるソフトウェア要求仕様書の品質向上」
不破 慎之介氏(株式会社デンソークリエイト)

■「開発文書校正支援AIモデルの可能性」
森口 功造氏(株式会社川村インターナショナル)

■「特許明細書の標準化に向けた取組 ~特許文書品質特性モデル~」
谷川 英和氏(産業日本語研究会・IRD国際特許事務所所長)

■「OSSを活用した文書間一貫性の確保」
芦田 直之氏(株式会社デンソー)

■「RedPenを用いたシステム開発文書評価のための機能追加の試み」
藤田 悠氏(長野工業高等専門学校)

■「ゴールから逆算したプロセスで開発文書全体をMECEにする」
南部 妙水氏(アンリツ株式会社)

■「技術文書研修に求められる期待」
下野 宏美氏(株式会社 富士通ラーニングメディア)

 最後に、参加者にいただいたアンケート結果を示します。多くの参加者から満足したとのご回答をいただきました。
  

今回のASDoQ大会にご参加くださった皆さん、ご講演者の方々、またASDoQ大会開催に内外からご協力、ご支援、ご後援くださった方々に感謝いたします。ASDoQは、講演で得られた知見や、情報交流会で紹介された取り組み、また参加者の方々との有意義な議論などの本大会の結果を、今後の研究会活動に活かしていきます。

来年の大会は,2022年11月11日(金)、名古屋大学 野依記念学術交流館での開催を予定しております。
次回も是非ご期待ください。


投稿日時 2021-09-03 10:22:13 (1247 ヒット)

2021年9月3日に,第27回研究会をオンライン(Zoom)にて開催しました.22名の方に参加していただきました.今回の研究会では,2つのテーマを取り上げました.


 1.「俳句練習はシステム開発文書品質の向上に役立つ?!」山本雅基(名古屋大学)


プレバトというTV番組の俳句コーナー(芸能人が詠んだ俳句を俳人の夏井先生がコメントして校正する)を気に入っている山本さんが,夏井先生の著書を紹介しながら,俳句と開発文書の関係をひもときました.


 システム開発を進める技術者は,最近,SlackやTeamsなどのチャットや帳票などに短い文を書くことが多くなっています.山本さんは,「短い文だからルーズに書いていた」と反省し,わずか17音の俳句に親しむと,「短い文だからこそ考えてきちんと書く」癖がついて文書品質が高まるのではと,指摘しました.実際に,自分で詠んだ俳句を紹介したり,面白い講演でした.皆さんも,俳句を詠んで,文書品質を高めてみませんか.

講演資料は,こちらから.

 2.「自然言語処理AIの技術動向 ~意味理解への期待と現実~」粕渕 清孝(株式会社 SCREENアドバンストシステムソリューションズ)


最近は,自然言語処理AIシステム・サービスの開発をしている粕渕さんが,技術動向の紹介とシステム開発工程へのAI適用について説明をして下さいました.


自然言語処理AIの意味理解への期待が高まっています.意味理解が概念と概念間の関係であるならば,現時点ではまだそのレベルに達していないでしょう.現在,意味理解実現のアプローチとしてスーパーコンピュータ並の計算環境と膨大なデータによる物量作戦が主流です.しかし,製造現場の再発防止・未然予防の視点からは別のアプローチも考え得るのではないでしょうか.例えば,AIが見出した知見を別のAIでも再利用できるようになれば,知見の漏れ抜けを恒久的に防ぐ知見エコシステムを構築できると考えています.

システム開発工程へのAI適用は問い合わせ効率化や設計改善支援など既に実用化されています.意味理解が実現されればさらに多くの適用先が増えるでしょう.会社には,多くの開発文書が存在します.その活用が進めば,生産性や品質を深い水準から高めることができます.今から自然言語処理AIを活用することが,将来のアドバンテージになるはずです.皆さんも,是非ご検討ください.

講演資料は,こちらから.


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