SWEST13 (組込みシステム技術に関するサマーワークショップ) に,ASDoQ運営委員を含む会員8名が参加し,ASDoQ紹介のポスター展示・チュートリアル・パネルディスカッションを行いました.
SWEST13概要 http://www.ertl.jp/SWEST/
Summer Workshop on Embedded System Technologies (SWEST)13
「組込みシステム技術に関するサマーワークショップ」
テーマ:「議論しよう!今、エンジニアができることを。」
開催日程:2011年9月1日(木)~2日(金)
開催場所:下呂温泉 水明館(岐阜県下呂市)
ポスター資料: 「システム開発文書品質研究会(ASDoQ(アスドック)) へのお誘い」(pdf)
チュートリアル資料:「誰がために開発文書を書く」(pdf)
パネルディスカッション資料:「新しい開発文書の時代を迎えて」(pdf)
第1日目(9/1)14:50~17:30のプロジェクトアップデート・ ポスター・デモ発表 にてASDoQの紹介ポスターを展示しました.
ASDoQの存在と活動を広報するため,運営の概要と活動計画をポスターにて展示しました.
ポスターの前で立ち止まってご覧になっている方の中には,「このセッションのために今回参加しました.明日のチュートリアルを楽しみにしています」と言って下さる方もいらっしゃいました.また,ご自身の職場で開発文書に関して苦労されている点などを話され,「他の会社はどうしているんだろう」と,なんらかの課題解決のきっかけを求めておられる様子の方も,ASDoQに興味を示していただいたようでした.
第2日目(9/2)13:00~15:50のセッション(S45)にて,開発文書に関するチュートリアルとパネルディスカッションを行いました.
会場には,20名強(講師・パネラを除く)の方が聴講されました.途中から入ってこられ,立ったままで聴かれている方も数名いらっしゃいました.
講師:山本 雅基 (名古屋大学)
コーディネータ:栗田 太郎 (フェリカネットワークス)
ASDoQの山本代表幹事が,開発文書を能動的に書くことへの動機付けとして,チュートリアルの講師を務めました.
コーディネータ:栗田 太郎 (フェリカネットワークス)
パネラ: 坂本 佳史 (日本IBM)
塩谷 敦子 (イオタクラフト)
清水 吉男 (システムクリエイツ)
杉本 明加 (富士設備工業)
藤田 悠 (長野高専)
森川 聡久 (ヴィッツ)
山本 雅基 (名古屋大学)
パネルディスカッションでは,まず,コーディネータと各パネラが,自己紹介と「私にとっての開発文書」を紹介をしました.そして,各パネラから,次の項目に関する経験や意見を発表しました.
・開発文書にまつわる思い出
・問題を含む文書
・良い開発文書とその工夫
会場からは,各パネラの発表に対して質問をいただきました.そして,その質問から他のパネラや参加者の意見に発展する場面も,時折ありました.
パネラも会場の参加者も,まだまだ言い足りないこと,問題点として投げかけたいことなど,話題は尽きない,さらにこれから議論を深めたい,という雰囲気になってきたところで,終了の時間になりました.
「つづきは,ぜひASDoQが開催する研究会の中で,行いましょう」というコーディネータの言葉で,セッションを閉じました.
ご参加くださった方々,ありがとうございました.
組込み技術者が集まるワークショップということで,この「開発文書」に関するテーマは,他のセッションに対して少し異質のものになるだろうと,SWESTに参加する前の私は,そう思っていました.特定の技術に対するスキルやテクニックを得るためのチュートリアル,知識を吸収したり技術的な動向を把握するためのセッションが多い中で,「開発文書をとらえ直す」という意味合いを持つこのセッションには,おそらくなんらかの開発文書に関する問題や課題を持って初めて参加の興味につながるのだろうと,私は考えていました.そして,いったいどのくらいの人が,興味を示すだろうか,不安でした.
ところが,ポジションペーパーに書かれた何人かの開発文書に関する話題や,前日のポスター展示で受けた印象から,多くの人が開発文書のテーマに関して興味を示されていることを知りました.そして,チュートリアルやパネルディスカッションでも,講師やパネラが投げかけた(つもりの),開発文書が抱えるさまざまな課題に対して,常日頃,同様に問題意識を持っている方が,大勢いらっしゃることを実感しました.さらに,自らの問題に対して,その解決や改善のきっかけを求めているということも,あらためて感じました.
そんな方々の思いをASDoQへの期待へと向かわせることができるなら,会の大きな励みになります.開発文書に関する問題点,課題,疑問を持つ人たちが集い,みんなでの活動が,それぞれの解決の糸口となるような,ASDoQがそんな会になればと願っています.
そして,誰がためにASDoQに興味を示すや...ご自身が持つ課題解決のための積極的な参加をお待ちしています(塩谷).
去る 7 月 11 日に第 1 回研究会を開催し,本研究会アドバイザの田丸 喜一郎 (情報処理推進機構) による基調講演『技術ドキュメントの品質確保から始まる品質説明力強化 ~品質説明力強化に向けた政府の取り組みと研究会への期待~』,運営委員の山本 修一郎 (名古屋大学) の講演『開発文書品質研究の可能性』に引き続き,43 名の参加者が,研究の方向性や進め方,今後の予定に関する議論を行いました.
本研究会では,開発文書やその品質に関心がある方々のご参加をお待ち申しあげております.
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基調講演
独立行政法人 情報処理推進機構 田丸喜一郎氏
「技術ドキュメントの品質確保から始まる品質説明力強化
~品質説明力強化に向けた政府の取り組みと研究会への期待~」
講演資料
招待講演
名古屋大学 山本修一郎氏
「開発文書品質研究の可能性」
講演資料
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代表幹事挨拶
皆様こんにちは.名古屋大学の山本雅基です.
本日はお集まり頂き,本当にありがとうございます.今日から,システム開発文書品質研究会,ASDoQが始まります.この記念すべき日を皆様とご一緒に迎えることができ,とてもうれしく思います.
この後の総会でご承認が頂ければ,私が,ASDoQの代表幹事をさせていただくことになります.そこで,この会を始めるにあたり,少し,ご挨拶を差し上げます.ただし,私のことを良くご存知の方はお分かり頂けるように,堅苦しい挨拶は私の性に合いません.そこで,今日に至るまでの様々な準備の過程で,私が経験した4回のビックリ体験をご紹介して,挨拶に代えたいと思います.
私は,ここにお集まりいただいている多くの皆様と同じように,開発に従事してきた技術者の一人です.実は,私,30年前にとある自動車部品メーカーに就職しました.企業に勤めている時に,私は,数多くの仕様書や設計書を書いてきました.もちろん,プログラムも書くのですが,私の所属した開発チームは,プログラムよりも設計書を書くことに一生懸命でした.それが,私たちの仕事のスタイルであり,品質や生産性の源泉でした.
さて,時代が下り,数年前,私は,会社を辞めて大学に移ったのですが,その日を境にして,異なる文化の方々と交流させていただくようになりました.そして,仕様書や設計書をメモ書き程度しか書かない方が,本当に数多くいらっしゃることを知り,私はビックリしました.開発文書を作らずにプログラムを書くということは,私の価値感では,全く考えられないことでした.これが,1回目のビックリです.
そのビックリ体験があったので,その後に長野高専の寄付研究部門をお手伝いすることになったとき,開発文書にフォーカスした研究を進言しました.開発文書の書き方や効用などを明らかにして,その良さを広めたかったのです.そして,今日に至るまで,ここにおいでになる中澤先生や藤田先生や塩谷さんと,企業が実際に作成している開発文書に赤ペンを入れて,赤が入る傾向を分析しながら,技術者に対するライティング教育を行ってきました.
ここで,田丸さんの登場です.これが,2回目のビックリです.実は,去年,田丸さんに研究内容を報告したときに,「開発文書の品質に取り組む全国規模の研究会を作って欲しい」というご要望を頂戴したのです.全国規模です.ビックリしました.私は,他者による開発プロセスの品質評価が,管理帳票の有無や日付などの形式的なことだけではなく,開発文書の中身を対象とし始めているのだと,理解しました.正しくは,後ほど田丸さんから直接お聞き下さい.
こうして,田丸さんに背中を押されるようにして,研究会を立ち上げる準備を始めたのですが,すぐに,多くの方々が趣旨に賛同してくださいました.3回目のビックリです.文書品質に関心を持つ方が,本当に,沢山いらっしゃることに,ビックリしました.
こうやって,研究会立ち上げの過程で,都合3回,ビックリしてきたのですが,ビックリはこれで終わりではありませんでした.実は,ある日の準備会議の後に,4回目のビックリがあったのです.ただし,このビックリはプライベートな話ですので,この場でご報告することを差し控えます.アルコールと共に語られるべき話ですので,懇親会までお待ち下さい.そうそう,今からでも懇親会の申込ができますので,どうぞ,私の話が終わりましたら,会計の塩谷さんまでお申込下さい.
こうして,4回のビックリを経て,今日を迎えました.ありがたいことに,今日,40名以上の皆様にお集まりいただきました.ASDoQの成果は,会員皆様のものです.この研究会の成果を,ご自身のビジネスや研究開発に役立ていただきたいと思います.
代表幹事の私は,運営委員の皆さんと一緒に,会員の皆様の活動を支援します.万が一,問題が起きましたら,その責任は代表幹事の私がとります.代表幹事の仕事は,そういうものです.ですから,皆様,どうぞ安心して,活動してください.
私は,ASDoQの立ち上げに携わり,今日までに,4回もビックリしました.しかし,ビックリはこれで終わりではありません.これからは,ASDoQで「想定外の成果」を上げ続けて,皆さんと一緒に,何度も何度もビックリしたいと思います.どうぞ,よろしくお願い申し上げます.
Embedded Technology West 2011/組込み総合技術展 関西にて,代表幹事の山本雅基 (名古屋大学) が本研究会の活動を紹介いたします.ESEC2011 での発表をご覧頂けなかった方はぜひお越しください.
【日時】
2011年 6月 16日 (木) 13:30~14:00
【場所】
インテックス大阪 5号館 D-11
【題目】
システム開発文書品質研究会(ASDoQ「アスドック」)へのお誘い
【発表者】
山本雅基(やまもとまさき) 名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター ディレクタ/特任准教授 ASDoQ代表幹事
【概要】
組込みシステムの開発は,開発プロセスに従い,要求仕様書やアーキテクチャ設計書などを作成して進められます.しかし,開発現場では,明晰に書かれていない文書が存在し,品質と生産性が低下する一因となっています.私たちは,開発文書に対する品質計測の基盤技術を研究する研究会を7月に作ります.開発文書の品質を高めることは,仕事の品質を高め,最終製品の品質をも高めます.