トピックス

  
投稿日時 2013-03-19 13:26:24 (2784 ヒット)

2013年3月1日に東京大学 情報学環・福武ホール ラーニングシアターにて行われた,第4回産業日本語研究会・シンポジウムにて,ASDoQの活動を紹介しました.参加者169名の皆さんが耳を傾けてくださいました.

システム開発と,その過程で作成する文書と関係を解説し,システム開発に関わる文書の品質に関心を持った方が集まって設立した「システム開発文書品質研究会」を紹介しました.さらに,作業部会で取り組んでいる活動を中心に,ASDoQで行っている取り組みの紹介をしました.

産業に関係する日本語を対象に取り組んでいる団体の皆さんと,情報交換などしていきたいと考えています.


投稿日時 2013-02-12 19:57:24 (4284 ヒット)

2013年2月8日~9日に,静岡県熱海市のホテルリゾーピア熱海にてASDoQウィンターワークショップ2013を開催しました.
 
今回のワークショップでは,一般の技術文書の作成技術からシステム開発文書品質の属性を考えることをねらい,参加者全員での,討議やグループワークに取り組みました.
 

第1日:2月8日 13:00-18:00

(Step1) システム開発文書品質につながる技術文書の文書技術を抽出する

持参した技術文書に関する書籍や自分の考えを基に,システム開発文書の品質につながる性質や文書作成の技術を,参加者各々がカードに書き出しました.単に一般的な技術文書の要素に留まらず,自身の経験から「システム開発文書がこうあってほしい」と期待する項目なども挙がってきました.
 

(Step2)書き出したシステム開発文書の性質や文書作成の技術を分類する

各自がカードに書きだした内容を照らし合わせ,同じような内容を含んでいるカードを集めました.
 

(Step3)集約した内容に見出しをつけ,その関係を考える

集約した項目間の関係を考えていると,システム開発文書作成の手順や,文書作成にあたって考慮すべきことなどが挙がってきました.そして,システム開発文書の作成過程の構造のようなものが見えてきました.
とくに,文法や分かりやすさのルールが,文書品質を決める上で,けっして独立しているのではなく,システム開発文書としての目的から,それぞれの理由や意図が存在するはずであること,それらの理由や意図から,文書品質は導かれるべきであるといった気づきも出てきました.
 
なぜ,開発者たちが不十分な開発文書しか書けないか,それは,それを書く理由や意図を理解しておらず,動機づけ自体ができていないからではないか,という実態を指摘する意見もありました.
そして,そうであるなら,文書作成の過程で,文書の目的やなぜ何を書く必要があるのか,といった点を明確にすることが,文書品質を導き出すことにつながるのではないかといった意見が導かれてきました.
さらに,文書作成の最初の段階で,文書の計画を十分にすべきであり,計画に基づいた文書作成のプロセスのようなものが見えてきました.
 
 

第2日:2月9日 9:00-15:00

(Step4)システム開発文書の作成プロセスの要素を説明する

前日活動での気づきの確認や参加者から出された意見を整理するところから,第2日が始まりました.
まず,システム開発文書作成の手順や文書作成にあたって考慮すべきことなどを参加者で共有し,文書作成のプロセスを構成する要素を各自で具体化し文章化してみました.
すると,システム開発文書の作成プロセスには,システム開発自体のプロセスやプロジェクト計画に共通する部分が多くあることに気づきました.
 
 
今回のワークショップでは,システム開発文書品質の属性を定義するところまでには至りませんでした.
しかし,品質を考える上で,システム開発文書作成において,文書の目的,各記述要素における理由,その両方から導き出されるべき記述の意図を明確にすることの重要性が見えてきました.
そして,システム開発文書の作成プロセスを整理し,ぞれぞれの記述段階における目的,理由,意図を明確にしていくことが,システム開発文書品質を定義することにつながるのではないか,といった感触を得ています.
 
今後,ワークショップで得られた結果をきっかけに,研究会として取り組むシステム開発文書品質の議論につなげていきたいと考えています.
 
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今回の参加者には,これまでとは少し異なる新鮮なメンバーとして,学生や社会人の国語教育に携わる方々が加わりました.
システム開発文書といえども,一般の技術文書と共通して考えていく部分が多く,またそのために有効な価値ある書籍の紹介もありました.
参加者9名と少ないながらも,機能安全,アジャイル開発,テストプロセス,文書評価,教育など,それぞれの立場から,意見を述べ,討議できました.
 
夜は熱海温泉の湯につかり,美味しいお魚料理もふんだんにいただき,会議室を含むすべての部屋の窓から海を臨む,といった肌も舌も目も楽しみ癒されるワークショップでした.
2日目のランチは海鮮丼!
 
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参加者が持参した文献のリストやワークショップの成果物はこちらから参照できます(会員限定).
 
 


投稿日時 2012-12-13 17:00:00 (3161 ヒット)

12月5日に第4回研究会を開催しました.会員および非会員14名が参加しました.概要は次のとおりです.

日時:2012年12月5日(水) 13:00-18:00
場所:フェリカネットワークス 会議室(東京都品川区)

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1.運営状況報告

ASDoQの会員数やイベントの実施報告を行いました.10月に主催したASDoQ大会のほか,8月のSWESTにおいて実施したワークショップと11月のJaSST東海において実施したSIGについての報告がありました.

 

2.研究発表

日本アイ・ビー・エム・サービスの原口智史さんに,「テキスト分析技術を利用した開発関連文書の文書品質の定量化」と題した講演をいただきました.組み込みソフトウェアの不具合には,文書の表現に起因するものが少なからずあるとして,不具合につながりやすい文書の表現例を挙げ,どのように修正すればより正確で読みやすい文書になるのかを解説いただきました.また,同社が開発した文書校正支援ツールと人間による目視調査の比較結果などを紹介いただきました.また,意味が分かりづらい文章を,意味が明確になるように書き換える演習も行いました.

 

3.作業部会発表

ロードマップ部会からは,山本修一郎さんが「要求仕様文書化技術の潮流」と題して,2011年に策定されたIEEE 29148(要求工学の規格)の概要を解説しました.IEEE 29148はステークホルダ要求とシステム要求,ソフトウェア要求の関係を明らかにしており,各要求の内容や対象などについても明確にしています.また,本規格は英語で記述されているのですが,shall / will / should / mayといった英語表現を和訳する際に,どのように表現すれば誤解が生じないですむのかなど,検討が必要だとのことでした.

発表資料(IEEE 29148紹介)

 

用語定義部会からは,塩谷敦子さんが活動報告を行いました.「ASDoQで用いる用語を定義しよう」という目標のもと,4つのASDoQ標準用語と31の関連用語を定義し,2012年10月より用語集Ver.0.0として公開しています(ASDoQの活動成果を参照).今後も,部会活動などで定義を共有する必要がある用語を中心に,用語定義の作業を進めるとのことです.

 

人材育成部会からは,山本雅基さんが活動報告を行いました.これまで,架空の一人乗り移動体「ムーブレボ」を題材としてシステム要求仕様書を各自が執筆してみました.その後,要求仕様を記述する対象サブシステムとして「通報システム」を想定し,このシステムのソフトウェア要求仕様書を書いてみることにしました.まずは目次を統一しようと試みましたが,執筆者それぞれのシステムの捉え方がそれぞれの目次に反映されており,統一するのは難しいことがわかりました.現在は,まずは各自が要求仕様書を最後まで書いてみようということで,それぞれ作業を進めているとのことです. 

 

4.今後の進め方についての話し合い

最後に,ASDoQの今後の取り組みについて話し合いました.山本 雅基さんが,システム開発文書の品質特性(妥当性,非あいまい性など)への理解を深めるために事例や提案を集めたデータベースを作ってはどうかと提案しました.それに対して,参加者でざっくばらんに意見交換を行いました.


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