6月30日に第8回研究会を名古屋大学にて開催しました。
今回の研究会では、活動報告及び品質定義に関する話題提供を行い、 「品質定義プロジェクト」の一環として、 システム開発文書の品質の整理を行いました。
藤田が、6月9日から11日まで秋田で行われたソフトウェアシンポジウム2014にて開催した ワーキンググループ「システム開発文書品質」の活動報告をしました。 ASDoQ会員を対象に実施したアンケート結果を基に、 開発者が求める品質として8性質を定義し、それぞれの品質を高めるために寄与する活動をまとめました。
山本雅が、人材育成部会で進めてきた活動について報告しました。テクニカルコミュニケーター協会のスタイルガイドを基に、例文を考える活動についてのまとめを紹介しました。 例文が作られたルールと作られていないルールの傾向を分析し、活動の結果からシステム開発文書の品質の上位特性として7特性を提案しました。
前回の研究会で紹介したシステム開発文書品質の5特性を、塩谷さんが改めて説明しました。 これまでの作業部会で検討した品質特性や、システム開発に関連する品質特性との関係づけの試みなどを紹介しました。
5人ほどからなる3グループに分かれて、 話題提供で示された3種類の品質特性を基に、 システム開発文書品質について整理し、ラベルづけなどをして、 品質特性をまとめる活動をしました。
グループ1では、 何を書くか、どう伝えるかという視点から、2種類の性質に分けられるのではないかという議論になりました。上流工程と下流工程における、品質評価の重みづけに違いがあるのではないかとい意見もありました。
グループ2では、 「内容」と「表記」の軸と、品質特性の軸に分けて分類しました。「目的」は全体にかかるので、「前提条件」として別に扱うことにしました。ステークホルダによって、求める品質が異なるので、ステークホルダーを決めて検討することが必要ではないかということが提起されました。
グループ3では、提案された3種類の品質特性を、「書くときに必要な品質特性」と「読むときに必要な品質特性」に分けました。「合目的性」については、読む人と書く人それぞれの目的があると考えました。さらに、文書を作成するプロセスに沿って品質特性を位置づけました。
各グループによる発表後、発表全体に対して以下の意見がありました。
今後も、会員の皆さんとの討議を進めながら、システム開発文書の品質を定義する活動を継続していきます。
2014年6月9日から11日に秋田にて行われたSS2014に、ASDoQとして参加しました。ASDoQから提示したテーマ「システム開発文書品質」に関して、ワーキンググループにて討議しました。
性質 | 開発文書内で求められること | 開発文書の運用として求められること |
---|---|---|
文書化する | 文書の目的を明示する | 開発要領を作成する |
構造化する | 文書目的から必要な項目をあげる | 開発要領を作成する |
追跡できる | 要求の番号を振る | 構成管理する |
正確である | ツールにかける、読み返す | レビューする |
整合している | 文書形式を工夫する | 作業のインプットを確認する レビューツールを活用する レビュールールを決める |
必要十分である | コピペしない、参照先を書く | 要求と機能の対応チェック |
曖昧でない | NG用語集・用語集を書く | 概念(用語)を整理する |
使いやすい | 読み手を明確にする | 開発環境を整備する |
4月25日に第7回研究会(定期総会)を名古屋大学にて開催しました.