9月17日に,「ソフトウェア品質シンポジウム2015(SQiPシンポジウム2015)」(会期:9/16-9/18) 内のSiGにてASDoQのシステム開発文書品質モデルを使ったグループワークを実施しました.ASDoQ幹事2名がSiGリーダを務め,28名の方にご参加いただきました.
SIGテーマ10「文書品質を測る!~開発文書の品質可視化にTRYしてみよう~」にて,システム開発文書品質モデルの概要を解説した後で,開発文書の同じサンプルを使い,各グループで開発文書の不適切な点を指摘し,システム開発文書品質モデルの品質特性と副特性に分類してみました.
参加者が関わってこられた主な仕事の種類の内訳は次のとおりです.
この仕事の種類によって,次の5つのグループに分かれ,文書内の不適切な点の抽出と分類を行い、各グループ代表者が発表しました.
①開発グループ
②改善・教育グループ
③改善・教育グループ(一部に開発の方を含む)
④テスト・QAグループ
⑤テスト・QAグループ(一部に開発の方を含む)
各グループでの,指摘点の特性別の傾向は次のとおりでした.それぞれの立場により視点が異なるためか,グループによって異なった興味深い傾向が出ていました.
(注)文書へのそれぞれの指摘および品質特性・副特性への分類は,とくに統一した観点を設けてはいません.本活動に限定した状況においてのグループ個別の傾向ととらえてください.特性・副特性において数値0は,「該当なし」「判断できない」を含みます.
①開発グループ
(副特性の分類ができていない部分は,まとめて集計しています)
②改善・教育グループ
③改善・教育グループ(一部に開発の方を含む)
④テスト・QAグループ
⑤テスト・QAグループ(一部に開発の方を含む)
また,SQiPシンポジウム会場内に,ASDoQの活動と,システム開発文書品質モデルを紹介したポスターも掲示しました.
8月27日,28日に行われた「組込みシステム技術に関するサマーワークショップ(SWEST)」にて, ポスター掲示とセッションを実施しました.
ポスター発表では「システム開発文書品質特性 Ver.1.0をリリースしました」と題し, ASDoQの活動紹介と,システム開発文書品質モデルを紹介しました.SWESTというワークショップの性格上,参加者はメーカーやソフトウエア企業所属の社会人の方から学生さんまで,多くの方にASDoQのポスターを見ていただきました.お話をさせて頂いた多くの企業の方が,開発プロセスに従って業務をされており,「文書品質」という考え方に関心をお持ちでした.
セッションでは『システム開発文書の品質を考えよう』と題してグループワークをしました. 初めに,システム開発文書品質モデルの概要を解説しました.
次に,品質モデルをふまえて,4グループに分かれて, 参加者各々が意識している文書品質や文書の書き方などを意見交換したり, サンプル文書を対象に,不適切な文書表現などを抽出したりしました. グループごとに,上がった意見や抽出事項などを,ASDoQの品質特性に分類して,品質モデルを活用しました.
分類する品質特性に迷うことや,複数に当てはまるものがあったなど,測定に関する課題を確認したり,求められる文書品質の傾向を見て可視化を体験したりできました. 最後に,各グループで討議した結果を全体で共有して,セッションを終えました.
これをきっかけに,文書の品質を可視化したり, 文書の品質を高めるヒントを得ていただけたのであれば嬉しいです.
2015年7月3日に名古屋大学にてASDoQ第11回研究会を行いました.
はじめに,山本雅さん5月に発表したシステム開発文書品質モデルの概要を,その時の資料を用いて紹介しました.
次に,システム開発文書品質モデルの適用例を発表しました.
はじめに,小林さんが,文書品質の可視化への試みに対して,システム開発文書品質モデルを適用した事例を紹介しました.これまで,ツールを用いた文書品質の可視化に取り組んできており,人手によって評価できる品質に対して,システム開発文書品質モデルを用いた事例を紹介しました.
小林さんが発表する様子
次に,山本雅さんが,大学で実施する教育へ品質モデルを使用した事例を2件紹介しました.
一つは,社会人に対して実施するNEP公開講座での事例です.レビューでは「完全性」が重視されすぎ,「可読性」「理解容易性」が軽視される傾向があるので注意が必要であることなどを教育しているとのことです.もう一つは,enPiTという学生教育で,計画書や設計書を書くことが困難な学生に対して,それらの「完全性」を考えさせることや,見本を真似させる取り組みを紹介しました.
山本雅さんが発表する様子
最後に塩谷さんが,社会人を対象にした教育事例を紹介しました.
事前に,ドキュメンテーション,ドキュメントレビューなどの講座を受講している企業技術者に対し,そのフォローアップ研修の事例として,2日間の教育を行った事例を紹介しました.文書を診断した結果による症状から改善計画,教育計画を立てて,指導を進める取り組みや,出張報告について,教育前と教育後で効果測定を行う取り組みなどを紹介しました.
塩谷さんが発表する様子
引き続き塩谷さんが,品質モデルを使った演習を行いました.参加者は,文書スキルアップのための取り組み計画を品質モデルにしたがって作成し,各自持参した文書をチェックして,それぞれの取り組み項目に対する評価を行いました.
ASDoQは,今年度システム開発文書品質モデルの適用をさらに進め,計測にも取り掛かります.
ぜひ,皆様の適用例や計測データ,また文書品質向上の活動をご紹介ください.