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活動報告 : ASDoQ大会2022を開催しました
投稿日時 2022-12-05 08:36:28 (769 ヒット)

2022年11月11日(金)にASDoQ大会大会2022を開催しました。
今年のASDoQ大会はオンラインとリアルとのハイプリッドにて開催しました。リアル会場としては、3年ぶりに名古屋大学 野依記念学術交流館に戻ってまいりました。


第1部のチュートリアルでは、中村 哲三氏(エレクトロスイス ジャパン)から「国際共通語としての英文ライティングを考える」のテーマでお話しいただきました。
世界中の人たちとコミュケーションをとるための国際共通語として英語が使われています。英語ネイティブではない国の人たちとコミュニケーションをとるためには、わかりやすく伝わる英語を使う英語力を身につける必要があります。そのような基礎的な英語力をつけるうえでの障壁をご紹介いただきました。具体的には、国際的には通用しない和製英語、一つひとつの単語とは異なる意味になるイディオム表現、概念の違いからくるギャップ、差別表現などを解説していただきました。さらに、人間の社会活動に関連する言語の使用には、トピック志向とタスク志向があります。前者は状態描写として、後者は操作説明として、視点/コンテキストによって最適な表現を選ぶべきであり、両者をまちがえると分かりにくい文になるとのことでした。
(チュートリアル:中村 哲三氏)

 

第2部の講演会に先立ち、プログラム委員長の栗田 太郎氏からASDoQ大会2022の見どころについて紹介がありました。
(オープニング:栗田 太郎氏)

 

最初の講演は、武田 浩一氏(名古屋大学)から「説明可能な人工知能と自然言語処理」のテーマでお話しいただきました。
人工知能が社会的に受け入れられるためには、信頼できる人工知能を実現する必要があり、その一つのテーマが「説明可能な人工知能(AI)」とのことです。最近のAIでは、ニューラルネットワークを用いるので、推論過程がブラックボックスになります。そこで、推論過程を人間に分かるように提示する説明可能AIの研究を、米国国防高等研究計画局(DARPA)のプログラムなどで進められてきたとのことです。説明可能AIでは、文生成技術により説明自体を文章で生成する技術も研究開発されています。その技術を使用して、運転シーンのデータから運転のリスクを査定し文章で表現する研究事例が紹介されました。さらに、文生成技術を利用したプログラム開発支援として、プログラム生成やプログラムへのコメント付与の研究開発が行われているとのことでした。
(講演1:武田 浩一氏)

 

続いての講演では、井佐原 均氏(追手門学院大学)から「自然言語処理の課題と品質評価の可能性」のテーマでお話しいただきました。
自然言語処理システムによって、コンピュータが人間のタスクをサポートし、人間は人間にしかできないことに集中する世界を示していただきました。最近では、ニューラル機械翻訳により、機械翻訳の技術が飛躍的に向上しています。訳の抜けや誤り、低頻度の語句で失敗が多いなどの機械翻訳の問題についても、絶えず見直され性能が向上され続けているとのことです。さらに、自然言語処理の課題として、ブラックボックスの解消のために理由を説明できる人工知能や、学習データの保証があるとのことです。そして、システム開発文書と自然言語処理の関係について触れて頂き、自動ソースコード生成や開発文書の自動評価の可能性を示していただきました。
(講演2:井佐原 均氏)

 

第2部の最後では、ASDoQの運営から、今期の活動報告と今後の活動予定をお知らせしました。 
(クロージング:塩谷 敦子氏)

 

オンラインでご参加いただいた方は第2部にて終了となりましたが、リアル会場では、第3部の「講演者を囲む対話会」を開催しました。講演者と直接会話できる機会を利用して、参加者の皆さんが熱心に質問されていました。また、チュートリアルと講演の内容から、話題がさらに広がり、有意義な時間となりました。
  (対話会での講演者と参加者)

 

最後に参加者にいただいたアンケート結果を示します。多くの参加者から満足したとのご回答をいただきました。
 

今回のASDoQ大会にご参加くださった皆さん、ご講演者の方々、またASDoQ大会開催に内外からご協力、ご支援、ご後援くださった方々に感謝いたします。ASDoQは、講演で得られた知見や、参加者の方々との有意義な議論などの本大会の結果を、今後の研究会活動に活かしていきます。

来年の大会は,2023年10月27日(金)、名古屋大学 野依記念学術交流館での開催を予定しております。
次回も是非ご期待ください。


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