2021年9月3日に,第27回研究会をオンライン(Zoom)にて開催しました.22名の方に参加していただきました.今回の研究会では,2つのテーマを取り上げました.
1.「俳句練習はシステム開発文書品質の向上に役立つ?!」山本雅基(名古屋大学)
プレバトというTV番組の俳句コーナー(芸能人が詠んだ俳句を俳人の夏井先生がコメントして校正する)を気に入っている山本さんが,夏井先生の著書を紹介しながら,俳句と開発文書の関係をひもときました.
システム開発を進める技術者は,最近,SlackやTeamsなどのチャットや帳票などに短い文を書くことが多くなっています.山本さんは,「短い文だからルーズに書いていた」と反省し,わずか17音の俳句に親しむと,「短い文だからこそ考えてきちんと書く」癖がついて文書品質が高まるのではと,指摘しました.実際に,自分で詠んだ俳句を紹介したり,面白い講演でした.皆さんも,俳句を詠んで,文書品質を高めてみませんか.
2.「自然言語処理AIの技術動向 ~意味理解への期待と現実~」粕渕 清孝(株式会社 SCREENアドバンストシステムソリューションズ)
最近は,自然言語処理AIシステム・サービスの開発をしている粕渕さんが,技術動向の紹介とシステム開発工程へのAI適用について説明をして下さいました.
自然言語処理AIの意味理解への期待が高まっています.意味理解が概念と概念間の関係であるならば,現時点ではまだそのレベルに達していないでしょう.現在,意味理解実現のアプローチとしてスーパーコンピュータ並の計算環境と膨大なデータによる物量作戦が主流です.しかし,製造現場の再発防止・未然予防の視点からは別のアプローチも考え得るのではないでしょうか.例えば,AIが見出した知見を別のAIでも再利用できるようになれば,知見の漏れ抜けを恒久的に防ぐ知見エコシステムを構築できると考えています.
システム開発工程へのAI適用は問い合わせ効率化や設計改善支援など既に実用化されています.意味理解が実現されればさらに多くの適用先が増えるでしょう.会社には,多くの開発文書が存在します.その活用が進めば,生産性や品質を深い水準から高めることができます.今から自然言語処理AIを活用することが,将来のアドバンテージになるはずです.皆さんも,是非ご検討ください.