2020年11月6日に,ASDoQ大会2020を開催しました.今年はコロナ禍によりオンラインでの開催となりましたが,約70名の方に参加していただき,講演者とのやりとりも多く,大変盛り上がった大会となりました.
今回の大会のテーマは,「オンライン時代の言葉と文書」としました.現在オンラインでの業務が拡大されつつありますが,意思疎通が取りづらくなる懸念があります.本大会では,3件の講演を通して,言葉や文書についてどのように改善すべきか,ヒントを探りました.
オープニングセッションでは,プログラム委員長の栗田さんから,今回のプログラムへの想いと,申し込み時のアンケート分析結果について語られました.
(オープニングセッション:栗田太郎 氏)
続いて3件の講演が行われました.
1件目の講演では,都築香弥子 氏(俳優・声優・表現講師)が「豊かな伝え方・受け取り方~演劇メソッドを使って」のテーマで,異業種の側面からお話しくださいました.講演中には,ネット越しではありましたが,実際に参加者の方に演劇を体験していただきました.相手のことを理解したり感じ取ることによって,伝え方・受け取り方が全く異なることを,参加者の方に体感していただくことができました.演劇も開発も,お客様に届け,さらに受け取ってもらえて,はじめて作品/製品として完成するという点で,非常に共通点が多いという発見がありました.そして,都築さんから紹介いただいたさまざまな「演劇メソッド」は,今後の業務に大変参考となるものとなりました.
(講演1:都築香弥子 氏)
2件目の講演では,藤崎祐美子 氏(ビジネスエンジニアリング株式会社)が「伝わりやすい文章の書き方・広め方」のテーマでお話しくださいました.品質マネジメント部における自社製品の文書改善の取り組み事例について紹介いただきました.藤崎さんの改善活動は,実際に人財が育ち,仕組みを構築して定着し,手離れすることができたという,非常に珍しい成功事例でした.藤崎さんからは,注意点を多数紹介していただくことができ,文書の改善にとどまらず,業務を成功させるための重要なヒントを得ることができました.
(講演2:藤崎祐美子 氏)
3件目の講演では,森崎修司 氏(名古屋大学 大学院情報学研究科)が「業務文書のレビューに使えるソフトウェアレビューの原理と技法」のテーマでお話しくださいました.普段何気なく実施しているレビューという活動について,特性をわかりやすく整理し,説明いただきました.そして,望ましいレビュー活動について,非常に沢山のTIPSを紹介いただきました.業務ですぐに実践できる気づきを沢山得ることができた講演となりました.
(講演3:森崎修司 氏)
最後のクロージングセッションでは,本大会の実行委員長である山本さんより,ASDoQの活動紹介をさせていただきました.
(クロージングセッション:山本雅基 氏)
最後に,参加者にいただいたアンケート結果を示します.本大会に対して,大変満足していただくことができました.また,リピーターの方に継続的に参加いただけていることがわかりました. 来年の大会は,2021年11月12日(金)の開催を予定しております.次回も是非ご期待ください.
今回のASDoQ大会にご参加くださった皆さん,ご講演者の方々,またASDoQ大会開催に内外からご協力,ご支援,ご後援くださった方々に感謝いたします.ASDoQは,講演で得られた知見などの本大会の結果を,今後の研究会活動に活かしていきます.また,議論や仲間づくりの場として期待にお応えできるような研究会を目指してまいります.