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活動報告 : 第5回産業日本語研究会・シンポジウムで講演しました
投稿日時 2014-03-17 05:13:29 (1704 ヒット)

 2014年2月27日に東京大学 情報学環・福武ホール ラーニングシアターにて,第5回産業日本語研究会・シンポジウムが開催されました.ASDoQ幹事の塩谷敦子が活動を発表しました.

 ASDoQがシステム開発文書品質に取り組む背景,ASDoQの概要,これまでの成果と現在進行中の活動紹介,そして今後の取り組み予定を発表しました.

 他のご講演者の発表では,招待講演として,特許庁 審査第一部調整課審査基準室 室長 滝口尚良氏が「特許制度における明細書等の役割について」をご講演されました.特許制度において,権利行使上の観点から明細書の解釈の違いによる,裁判所の判断の相違の例を示され,特許文書作成上の留意点や翻訳時の留意点を述べられました. 

 また,産業日本語研究会さんが取り組む対象として代表的な特許文書だけでなく,次のような別種の文書を分かりやすくする取り組みのご発表もありました.

  • 病理診断報告書の分かりにくい記述をコンピュータが処理し易いように構造化する木形式やグラフ形式のご提案(「グラフ形式に基づく文書作成支援」東大 橋田氏)
  • 法令文の論理・形式表現への変換による構造的な書き換えに関する取り組みのご発表(「法令工学の言語処理」北陸先端科学技術大学院大学 島津氏)

 そして,次のようなそれぞれの分野で作成されたライティングのガイドやマニュアルのご紹介もありました.

 さまざまな分野での分かりにくい文書の例を,報告者はたいへん興味深く感じました.そして,それぞれの記述に求められる分野固有の特性はあるものの,表現の構造化や言語処理,また翻訳などにおいても,分かりやすさ(文書品質として重要と言える一つの要素)の観点では,共有できる部分が多いと感じました.

 シンポジウム後に行われた講演者と参加者による懇親会では,マニュアルや設計書の翻訳などで開発文書に関わる方々から,お声がけをいただきました.また,「開発文書は,特許文書などと異なりお役所相手ではないから,文書の品質の規定や標準化はやりやすいのではないか」などとアドバイスもいただきました.

 ASDoQの中でも,会員の皆さんはそれぞれ立場が異なり様々な課題をお持ちです.いろいろな方面での成果や活動も参考にさせていただき,今後もそれぞれの課題に対して共通部分は共に取り組み,議論できる機会を持てれば,と思っています.

講演資料(他の講演者分を含む)

(報告 塩谷)


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