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活動報告 : ASDoQサマーワークショップ2018を開催しました
投稿日時 2018-07-31 21:47:05 (2287 ヒット)

2018年7月20-21日に京都市にて,ASDoQサマーワークショップ2018を開催しました。

今回のワークショップでは、システム開発文書品質モデルにおける「完全性」について、とくに要求仕様書を想定して、その完全性を高める方法を議論しました。
まずは事前に会員の皆さんから集めた完全性に関するアンケート結果(工夫していること・困っていること)を参加者間で読み込み、キーワードを抽出し分類しました。
以下はキーワードを分類している様子です。
 
完全性について検討してみると、完全性とは直結しない問題が数多く出現します。
論理性、理解容易性の問題も関わってくるため、ここでASDoQが定義する完全性の復習を行いました。
以下の写真は、システム開発文書品質モデルの定義を確認している様子です。
 
 
ASDoQが定義している完全性は「開発に必要十分な情報が記載されていること」であり、その副特性を次のように定義しています。
 
  • 合目的(読み手と目的を明示している、目的に合致した内容を記述している)
  • 正確(記述内容が正しい)
  • 妥当(記述内容が妥当である)
 
この定義を再確認するために、完全性を満たすための方法をリストアップしました。
 
  •  ステークホルダーを理解する
    →ステークホルダーとは後工程の人であり、読み手によって書く内容が決まる
  • モデル化(状態遷移図表などを使って抽象化)
    →文章では表現できない内容を表現する
  • フィードバック
    →ペーパープロトタイピングによる素早いフィードバック
    これにより隠れた要求を引き出す
 
2日目は、システム開発文書の完全性を高めるための具体的な手法についてのブレストをしました。
3つのグループに分かれ、システム開発文書品質モデルの完全性の副特性の観点から、具体的な手法を抽出しました。参加者が実際の場面で使用しているツールや手法、経験からのノウハウなどを列挙して、グループそれぞれでまとめました。
以下の写真は、各グループでブレストをしている様子です。
 
 
 
開発文書の完全性は、これまでソフトウェア工学においても議論されてきたソフトウェア自体の完全性に深く関わっていることを、あらためて参加者同士で認識しました。
そして、開発文書の完全性をソフトウェアやシステム自体の完全性とどう切り分けるか、はたして切り分けができるのか、開発文書の完全性をどうとらえ定義すべきか、さらに議論を深めていきたいと考えます。
 
9月6日に開催する研究会では、今回の討議結果を基に、さらに議論を進める予定です。


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