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活動報告 : ASDoQ大会2016を開催しました
投稿日時 2016-11-07 19:33:34 (773 ヒット)

2016年11月4日に名古屋大学にて,ASDoQ大会2016を開催しました.

今年のテーマは,「開発文書の伝達力~業務効率の向上を目指して~」でした.

チュートリアル1は,「読み手とエンドユーザーを理解する ~マニュアル的制作手法を開発文書に活かす~」と題して,エプソンアヴァシスの北条さんが講義されました.分かりやすく的確に伝達することを目指しているマニュアル技術者の立場で技術文書の作成に工夫している点を演習を交えて説明され,開発技術者にとって有意義な内容でした. チュートリアル2は,「開発文書コミュニケーション~開発文書に必要な品質とは~」と題して,長野高専の藤田さんが講義されました.他者が作成した設計書の内容をどのように理解するかについて,文書の書き手と読み手の立場を通して,チェックシートを用いて文書の品質をチェックする演習行いました.

多くの開発者は,普段から「開発文書を書いて」います.開発文書には,多様な目的がありますが,その一つが,読み手に開発に関する情報を伝えることです.しかし,なかなか伝わらない実体があります. さて,相手に伝わる開発文書のあるべき姿は,その片鱗を見せてくれるのでしょうか.

午後からは,講演会やパネルディスカッションなどが行われました.オープニングで,本大会のプログラム委員長である森川さんが,申込時に皆さんに書いていただいたアンケート集計の結果を報告しながら,大会の開始を宣言しました. 今回は,70名程度が参加されましたが,半数以上がASDoQの非会員の方でした.開発文書の品質に対して,会員外にも関心が広まっています.


 

最初に,日新システムズの前川さんによる招待講演「デザインを共有しリズムを作り出すためのドキュメンテーション ~ 伝達のためではなく、全員で共有するためのドキュメントの作り方 ~」が行われました.前川さんは,アジャイル型開発の経験が豊富なアジャイル伝道師のお一人です. よく知られたアジャイルソフトウエア開発宣言には「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを」という記載があります.これは,包括的なドキュメントの価値を認めつつ,それよりも動くソフトウェアに価値を求めることを宣言したのもです.前川さんは,豊富なアジャイル開発のご経験から,チームで情報を共有してチームで動くソフトウエアを開発するためには,ドキュメントが必要であることを述べられました. 要求や設計をするときには,その「理由」を明記する重要性を強調されました.それにより,チームで情報の共有が深くできます.そして,情報共有のツールとして,ポストイットを活用していることなどを,ご自身の事例を用いてご説明されました.

続いて,ASDoQの運営委員から,活動の現状報告が行われました.報告資料を,以下に掲載します.

2件目の招待講演は,名古屋大学の戸田山さんにより「『オレはわかってるもんね』から逃れるためにはどうすればよいのだろう」と題して,行われました.著名な哲学者である戸田山先生は,フランシス・ベーコンのイドラ(真から遠ざける要因)論から話を始められ,私たち人間は「わかったつもり」に陥りがちだから,それを前提にして,その対応策を考えるべきであると述べられました.現在,その対応方法を整理している最中とのことで,検討中の3点の方法を述べられました.

(1)ヒトに備わった認知のバイアスを知ること:それを知れば,分かったつもりになる自分を戒めることができる
(2)相対化の視座を持つこと:色々な視点で物事を見る癖付けをして,決めつけないようにする
(3)リサーチ・リテラシーを高める:ベーコンの言う劇場のイドラ(論証の誤った諸規則)に注意する

 続いて,「開発文書お悩み相談室」と題して,パネルディスカッションが行われました.モデレータは,デンソー技研センターの古畑さんがつとめられました.パネラとして,招待講演のお二人に加えて,ユーザマニュアルの執筆などの技術情報を伝える仕事をされているテクニカルライタの方が多く集まるテクニカルコミュニケータ協会から山崎さんが,そしてASDoQからは山本雅が参加しました.古畑さんの軽妙な司会の元で,会場からの質問を受け,パネラが答えました. 開発文書の品質を高めたいや,そもそもソフトウェアの価値を上司に理解してもらいたいなど,様々な悩みが寄せられ,パネラがそれぞれの立場で答えました.

講演会場の外には,9件のポスターが展示されました.

パネルディスカッションの後には,ポスターを会議室に運び込み,事例発表と討議が行われました.各ポスターの前には,発表者と聴講者が集まり,熱心に意見交換が行われました.聴講者による投票が行われて,同票で次の2件の事例発表が表彰されました.おめでとうございました.

「USDMを用いた非機能要求仕様書の作成」水藤 倫彰(株式会社デンソー),古畑 慶次(株式会社デンソー技研センター)
「『観点60』-仕様書の問題点指摘手法」藤田真広,森田文弥,江藤隼介),橋本浩志,奈良慶之,濱田裕介,久保田潤(株式会社ベリサーブ),山本修一郎(名古屋大学)

 


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