北條 節子(エプソンアヴァシス株式会社)
【プロフィール】マニュアルディレクターとして十数年間、主に情報関連機器のマニュアル制作に従事。基本的なライティング手法や情報設計技術などを幅広く学ぶ。社内ではチーフエンジニアとしてテクニカルコミュニケーション技術の指導を担当。近年は人間中心設計(HCD)技術の獲得に重点をおき、マニュアルやユーザーインターフェースの改善に取り組んでいる。 |
【講演概要】
開発文書の品質を上げるには、まず文書の読み手を知り、さらに対象となる製品やサービスのエンドユーザーを知ることが重要と考えます。マニュアル制作では、常にユーザーという「読み手」を深く分析し、その人のメンタルモデルや使用環境、行為の目的や使用シーンまでをも想定して文書を書いています。本チュートリアルでは、私たちマニュアル技術者がどのように読み手やユーザーの情報を理解し、文書化しているかを具体的な「ペルソナ」や「シナリオ」など、昨今特に注目されている手法を紹介しながら説明します。ぜひ、実際にそれらの手法を体験していただき、マニュアル的制作手法から開発文書の品質を上げるヒントをつかんでください。
藤田 悠(ASDoQ人材育成部会/長野工業高等専門学校)
【プロフィール】2009年長野工業高等専門学校 地域共同テクノセンターにて、地域企業と連携した組込みソフトウェアの品質向上を目的とした文書品質の研究に従事する。2012年から同校 電子情報工学科所属。プログラミングなどの授業のほか、開発文書を中心に文書作成力をつけるための教育を検討し、実践している。 |
【概要】
質の高いドキュメントを書くことが必要であることを理解はしていても,「自分の文書のどこが良くないのか」,「相手にはどのように理解されているのだろうか」など,わからないことが多いのではないでしょうか.本チュートリアルでは,文書の書き手と読み手の両方の立場を体験し,自分の文書の伝達を実感し,適切な文書の書き方を議論します.そのために,プログラム開発のための設計書を作成し,その文書が相手にどのように理解されるのか体験します.さらに,自分が作成した文書を相手に渡し,どのような仕様として理解させるのか,内容は十分であるのか,試します.その後,文書の読み手と書き手,両方の立場から,適切な文書とはどのようなものであるか,ディスカッションします. なお,本チュートリアルは,人材育成部会で検討している教育の一部を改編して行うものです.
森川聡久(ASDoQ大会プログラム委員長/株式会社ヴィッツ) |
前川 直也(日新システムズ)
【プロフィール】 |
【講演概要】
アジャイルではマネジメントだけでなくチーム力を重視します。設計におけるドキュメントもチームでいかに共有でき、出来上がった結果だけでなく、どう考え、どうまとめたのかを大切にします。これらの「デザインを共有」することは、設計の質を高めるだけでなく、プロジェクトをスムーズに進めるためのリズムを作り出すことができます。必要なドキュメントに絞り込んで進めていくアジャイルにおいて、本当に必要なドキュメントとは何かを、初めて本格的にアジャイルに取り組んだ若手エンジニアたちの事例をもとに、そのノウハウと奥に潜んでいる本質を解説します。
会場ロビーにてポスター形式で,文書品質取り組み事例を紹介しています.この概要を3分程度で簡単に紹介いたします.
【講演概要】ASDoQでは,今年度からシステム開発文書品質モデルの活用と普及のために,ワーキンググループでの活動を開始しました.各作業部会での活動を報告いたします.
配布資料
戸田山 和久 氏(名古屋大学)
【プロフィール】 |
【講演概要】
心理学者が明らかにしてきたように、「オレはわかってるもんね」という状態は、一種のlocal minimumで、わかった気になっているから、それ以上の探究活動や考え直しを動機づけることができません。で、教育学者が明らかにしてきたように、知的なパフォーマンスの低い層ほど、自分は世の中のことをわかっていると思い、仮想的な有能感を持ちがちです。で、哲学者は、そういう状態にどうやって揺さぶりをかけ、わかったつもりから逃れるかを考えています。「無知の知」ってそういうことです。このことを考えるのは、開発者にとっても重要だと思います。
パネリスト | 前川 直也(日新システムズ) |
戸田山 和久 氏(名古屋大学) | |
山崎 敏正(TC協会) | |
山本 雅基(ASDoQ/大阪大学) | |
モデレータ | 古畑 慶次(デンソー技研センター) |
山本雅基(ASDoQ代表幹事/大阪大学) |