ASDoQ大会2013 各講演の紹介

第2部 講演会

12:30 ~ 12:35 オープニングセッション


12:35 ~ 13:35 基調講演 言語屋の産官学渡り歩き

  君島 浩(教育設計研究室)

【プロフィール】1947年生れ。教育設計研究室代表、山梨大学工学部プレゼンテーション論科目非常勤講師。1969年 東北大学工学部卒、1969年~2002年 富士通ファコム株式会社、富士通株式会社、富士通ラーニングメディアで、コンパイラ開発、ソフトウェア工学推進、教育課長、ソフトウェア教育部長等を歴任。2002年~2007年 防衛庁海上幕僚監部の教育専門官として、教官マニュアルの改版に従事。この間、静岡大学教育学部プログラム言語科目、富山大学教育学部教育システム科学科目、及び慶応義塾大学環境情報学部テクニカルライティング科目の非常勤講師を歴任。主な著書:「日本的デザインレビューの実際」(共著、日科技連出版、1993年)、「表現能力」(共著、共立出版、1998年)、「テクニカルライティング:情報系の作文技術」(共著、専門教育出版、1998年)、「日本語作文作法」(日科技連出版、2000年)、「日本語発表作法」(日科技連出版、2001年)

【講演概要】私は富士通では、コンパイラ部門(言語屋)、ソフトウェア工学部門、技術者教育部門を経験した。高信頼性運動、標準化運動、技術創造運動の幹事をして、取扱説明書、仕様書、設計書、ソースコード、メッセージ、教科書、話し方などの言語表現の改善に関わった。標準化にあたっては、規制することと助けることの両立に努め、体系の最小性にも留意した。また、言語に関する学会活動、外国視察、現物調査、現場取材なども重視した。55歳の時に退職勧奨をされて、海上自衛隊の教育幕僚部門へ転職し、教育作業の国際標準化を担当した。定年後は筑波大学とその附属病院で、教員教育FDや職員教育SDに苦労した。大学は公務員式の制度が衰えて、組織運営が乱れつつあるように見えるのに対して、自衛隊という組織は、伝承された規則を着実に改定している。産業界は両者の中間だと思う。自衛隊や病院に勤めて、軍事・機械・心理・病理に強くなった。老年期の今は、「尖閣放水問題」「笹子トンネル天井落下事故」「つくば竜巻」「日本海海戦」などの時事や歴史の真偽を扱うゼミ資料を提供している。

配布資料(PDF)[2013.9.24更新]
講演スライド(PDF)[2013.9.29]


13:40 ~ 14:40 招待講演1 「文章設計」という考え方

戸田山 和久(名古屋大学情報科学研究科)

【プロフィール】専門:科学哲学および科学技術社会論、科学技術コミュニケーション
著作『論文の教室』2002(NHKブックス)『科学的思考のレッスン』2012(NHK出版新書)等

【講演概要】技術文書だけでなく、およそ文書というものは、相手があって目的がある。その目的にとっての最適解を設計するという点で、工学的な頭の働かせ方と、文章書きとはきわめてよく似ていると思われます。だとするなら、工学設計の考え方を文書一般の指導に応用することができるのではないでしょうか。こういう発想を展開してみます。

配布資料(PDF)[2013.9.25]


14:50 ~ 15:50 招待講演2 「仕様の位置付けと、厳密な仕様記述」

  酒匂 寛(デザイナーズ・デン)

【プロフィール】1958年生。東京大学農学部獣医学科卒。有限会社デザイナーズ・デン代表取締役。COBOLプログラマとしてキャリアを開始、「ソフトウェア開発環境」の開発、UNIXワークステーションの開発などを経て、オブジェクト指向開発とコンサルテーションに従事。大規模事務処理システム(医療、物流)の分散オブジェクト指向開発、各種組込みシステムのオブジェクト指向を用いたフレームワーク化などを手掛ける。現在は形式仕様記述言語を中心とした厳密な仕様記述手法の普及に興味を持つ。

【講演概要】本講演ではまず「仕様は何のために書かれるものか」を、大きな開発ライフサイクルの中での位置付けと共に確認します。
仕様は単なる「詳細な要求記述」ではなく「ラフな設計」でもありません。開発プロジェクトの全ライフサイクルを通して繰り返し参照と検証が繰り返される「要」としての役割を果たすものです。要である以上、仕様の厳密性(正確性、非曖昧性)が求められ、その「正しさ」(要求に対する妥当性、設計の正当性を判断する起点)を検証する手段の確保が関心事となります。
本講演の後半では、厳密な仕様記述の手段とそれを用いた検証方法についての解説を行います。

配布資料(PDF)[2013.9.24]


15:50 ~ 16:35 招待講演3 あなたのバグ票の問題、一緒に解決しませんか?―バグ票から見えた開発文書とプロジェクトコミュニケーションの「うまさ」と「まずさ」―

  近美 克行(バグ票ワーストプラクティス検討 Project)

 

【講演概要】ソフトウェア開発の現場にて、最も関係者が多くかつ最も件数の多い文書。それが「バグ票」です。そして「バグ票」は身近な文書であるために、開発組織におけるコミュニケーションの問題がいろいろと表出します。
我々バグ票ワーストプラクティス検討projectでは、開発組織におけるコミュニケーションの問題を知覚し改善するために、「こりゃないよね…」という「悪いバグ票」の事例を集めてみました。「バグ票」に限らず、文書作成に於いて良いお手本をまねることは効果的です。しかし「良い」はプロジェクトの事情により変化します。一方「悪い」は幅ひろいプロジェクトで共通します。それは失敗を避けるための広く使える知恵になり得ます。
集まった事例もとに検討すると、あたり前の文書ゆえ、「バグ票」がしっかり顧みられる機会が少ないという事情が見えます。しかしそれでは勿体ない!本講演ではそんな最も身近な開発文書である「バグ票」の悪い事例を通してソフトウェア開発プロジェクトにおけるコミュニケーションの問題を考えてみようと思います。

配布資料(PDF)[2013.9.24更新]


16:50 ~ 17:50 パネルディスカッション 「あなたの文書の問題,一緒に解決します」

モデレータ:栗田太郎
パネリスト:君島 浩・酒匂 寛・近美 克行・山本修一郎


17:50 ~ 17:55 クロージングセッション

 


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