2018年3月22日に,大阪電気通信大学 寝屋川駅前キャンパスにて,ASDoQ第17回研究会を開催しました.今回の研究会では,ASDoQ大会2017で優秀ポスターに選ばれた2件のポスターに関する発表と言語処理技術に関連する研究のワークショップを行いました.
ASDoQ大会2017のポスター発表に関する発表に先立ち,ASDoQ大会2017の実施報告を運営委員の塩谷が発表しました.参加者の皆さんからもご意見をいただき,印象に残った点や,各講演のポイントなどを情報交換しました.
次に,ASDoQ大会2017のポスター発表にて最優秀賞を受賞した,大阪電気通信大学教育開発推進センターの齊尾 恭子さんに,以下の発表に関する詳しい講演をしていただきました.
齊尾 恭子(大阪電気通信大学),竹内 和広(大阪電気通信大学),森 幸治(大阪電気通信大学),『「言語技術トレーニング」を活用した技術者養成に向けた大学初年次キャリア教育の実践』
さらに,審査員個人賞(三森賞)を受賞した大阪電気通信大学大学院の間嶋義喜さんに,以下の発表についての講演していただきました.
間嶋義喜(大阪電気通信大学大学院),大賀賢志(大阪電気通信大学大学院),竹内和広(大阪電気通信大学),同一機能をもつプログラム構造の類似性視覚化の検討
次に,「ソフトウェア開発文書分析にむけた言語解析ツール活用の実践」として,参加者の皆さんが実際にオープンソースを使用して言語解析を体験するワークショップを行いました.使用したプログラムは次の通りです.
・形態素解析エンジン MeCab
・係り受け解析器 CaboCha
・統計分析ソフト R(+グラフ生成プラグイン igraph)
はじめに,長野高専の藤田が「ソフトウェア開発文書の評価における汎用言語解析ツールの可能性」として,自然言語処理の基礎的な要素ツールを実際にインストールして実行して体験してみる発表を行いました.
次に,大阪電気通信大学の竹内 和広さんが,「プログラムの説明概念整理による辞書構築とその活用」として,情報分野に特化した辞書の作り方を解説しました.そして,参加者と一緒に手を動かしながら,実際に作った情報分野の辞書を用いて,複数の専門用語を入力してそれらの関係をグラフ化して可視化する演習を行いました.このようなグラフ化は、文書品質や専門概念理解の計量評価の基準となることが期待されます.
開発文書を取り巻く,技術者教育や言語処理技術について,具体的な事例や実践を交えて体験することができました.